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業務モデルをシステムの核に
2003年12月12日
株式会社データ総研代表取締役会長 椿 正明

pict1. 業務モデルとは
これはビジネスユーザの意識する実装独立の業務の構造を、プロセスモデルとデータモデルで表現するもの。これとソフト化標準・IT環境からソフトすなわちDBやプログラムが決まってくる。従来は、ともに独立に激しく変化するこれらの分離が不十分で、必要以上の混乱を招いていた。業務モデルには3レベルの処理、すなわちL1:データからデータを作る、L2:データから製品(画面・帳票)を作る、L3:製品を届ける、が含まれている。これを生産管理にたとえると、L1は中間部品製造、L2は製品製造、L3は製品物流になる。プログラミングレスなどの試みにおける、L1とL2の分離を提案したい。

2. 業務モデルの表現
人と人とのコミュニケーションを図るものを言語というなら、これには図面言語、テーブル言語、テキスト言語の3種があり、実装独立・ランダムアクセス・関係表現・教育負荷・デバッグいずれの観点からもテキスト言語−日本語、COBOL、JAVAなど−が最悪である。エンジニアリングでは図面言語とテーブル言語が主役となる。システムの世界にも極力エンジニアリングを取り込みたい。

同じプロジェクトで同じドキュメントを共有した人が同じ文化を持つようになるが、ファイルレイアウト、プログラム仕様書、ソースプログラム、IOレイアウトなどソフトドキュメントの共有でなく、データモデル図、データ定義書、業務フロー図、IOイラストなど、業務モデルの図と表の共有にしたい。データモデル図としては、広辞苑相当のリソースエンティティと新聞記事相当のイベントエンティティを分離し、配置で意味を表現し、結合・要約・抽出などのL1、L2の処理の読める図を提案する。L3の処理にはIPFチャートを用意している。

3. データインフラ(RRR)
メタデータをストアするRepositoryと広辞苑相当のResourceデータは、各アプリの共用するデータインフラであるが、最近話題のダッシュボードと呼ばれるRealtimeデータウエアハウスも共用対象のインフラである。この3つをデータインフラとするTHeEDWの環境を提案したい。

4. 21世紀の情報システム業務分担イメージ
ユーザ企業の多くは業務モデルを常時維持管理し、これを条件にアウトソースすることにならなければならないであろう。いま話題のEA(Enterprise Architecture)はこの方向に沿ったものであり、前向きに取り組むべきである。DOA+コンソーシアムで取り組むDOA+OOPはEAでの業務モデルとITとの間に横たわる断絶を解消しようとするものである。

5. オブジェクト指向との棲み分け
アプリケーションにはデータ構造に制約される業務アプリケーションと、制約されないシステムアプリケーションの2種類があるのではないか。前者は画面・帳票として要求が与えられ、システムの範囲が事業、企業、企業グループと際限なく拡大される。後者は対象とするハードウエアなどにより自ずと限界がある。したがって前者にはDOAが、後者にはOOが適しているように思われるのだが。OOにはオブジェクトの粒度の基準、リポジトリの構造、データベース通信場など、種々の疑問や課題があるかに見える。

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